眼鏡美人誕生

少し前の話だが、孫の愛莉から携帯メールが届き、「めがねかったよ」とあった。
私は我が目を疑った。と言うのは愛莉が眼鏡を掛けなければならないほど近視状態だとは、全く知らなかったからである。
私の一族に眼鏡をかけた者は一人もいないので、私の家内か母方の血筋であることは間違いない。そういえば愛莉の父親もコンタクトレンズである。
それはともかく眼鏡の愛莉を見たくなって、学校の帰りに我が家に寄ってもらった。
すると愛莉は細長の薄い藍色の縁の眼鏡をかけていた。爺の眼を差し引いてもそれはよく似合ったおり、どことなく知的に見えた。
「よく似合うよ」と私が言うと、愛莉はにっこりと笑ってくれた。眼鏡美人の誕生である。
約束事なれば眼鏡美人の写真を公開できないのが残念であるが。

  秋晴や眼鏡の奥が笑つてゐる  英世

スポンサーサイト

一句の風景

便りには書けざる虫の音色かな

俳句の季題では花鳥風月に続いて重要な季題にこの虫があるような気がする。
その虫の声を聞くと何かと心に染み入るように感じるのは、あの清少納言も同じではなかろうか。
ところが、ひとくくりに虫の声と言ってもさまざまである。
澄み切った高い声、あるいはガチャガチャと濁声で鳴くものがいる。またそれが同時に鳴く虫しぐれもあり、まさにあの童謡にある虫の声そのものである。
その虫の声、便りに書こうにも表し難い鳴き声である。
2014年(平成26年)9月「季題:虫(秋)」

敬老の日プレゼント

昨日は敬老の日と言うことで、息子より長崎カステラのプレゼントがあった。そのカステラには「いつまでもお元気で」と言うメッセージが表面に焼き付けてあった。
写真をと思った時はすでに遅くその文字もろとも食べてしまった後だった。
息子夫婦は何かの記念日には必ず何らかのプレゼントをしてくれる。
10年ほど前も私の好きな焼酎のためにと、クリスタルグラスをプレゼントしてくれた。
そこには「お父さんありがとう」と刻んであった。もちろん家内のグラスにも「お母さんありがとう」とあった。
もっともそのグラスは使うのがもったいないと、私の書棚に飾ったままになっているが。
確かに息子も優しいが、このようなことを忘れずにしてくれるのは息子の嫁さんに違いない。私も家内もそのことはよくわかっている。
そのような心配りの母を見倣って、孫の愛莉もそうなって欲しいと願わずにはいられかった。

  敬老の日嫁の気持ちに涙せり  英世

脊振小爪集落

私がよく登る脊振山系には福岡県側と佐賀県側からいくつものルートがあるが、そのうちの登ったことのないルートが小爪峠ルートである。
名の通り脊振尾根の小爪峠(椎原峠の西隣)に麓の椎原・小爪集落から直接アタックするルートだが、峠まで続く小爪川沿いを登るのでルートは厳しく荒れてると聞いて敬遠していた。
何時かは登りたいと思っていたルートなので、先日、登山口を下見してきた。
ところでその登山口の小爪集落だが、福岡市にもまだこのような農村風景があるのかと何となく懐かしくなった。小爪川の水を引いた棚田は間もなく稲刈りが始まることであろう。
10年ほど前になるが、実はこの集落には亡くなった高校の同級生が竹炭の工房を開いていたのでその時に訪ねたことがある。
ところが、その時とは集落の様相が一変していた。
明らかに耕作を放棄した田んぼや空き家が目立ち、あちこちに売地の立て札が立っていた。
都市化の波が押し寄せているのではなく、福岡市内と言うのに山間部は逆に過疎化している。
天神に通勤するにはバスの便は少なく時間もかかるので、若い人が都市部に出ていくのは致し方ないことであろうか。

  過疎の里採る者も無き柿熟るる  英世

台風

台風は南九州の方を通過し福岡には直接影響はなさそうだが、それでも朝から大粒の雨が降っている。
実は今日は百年句会吟行の予定であったが、台風接近と言うことで早々に中止と決まっていた。仕事先の進学塾も臨時休校となった。
そんなに早く中止を決めず、もう少し様子を見てからと言う思いもあったが、幹事からすればそんな悠長なことを言ってはいられなかったのであろう。
句会場や食事のキャンセル期限もあったろうし、やむを得ないことことだと思っている。
ところでこの台風、昔は何と呼んでいただろうかと言うのが気になった。気になったら調べるのが私の流儀である。
俳句の季題に野分があり、これが台風ではないかと言う人もいるが、どうも少しニュアンスが違うようである。
昔は混同して使われたこともあるようだが、今日では野分は雨を伴わずただ野を吹き荒らす秋の疾風として、台風とはっきり区別している。
ふと、農業を営んでいた父が台風のことを「大風・おおかぜ」呼んでいたことを思い出した。江戸時代以前の記録にも大風とある。しかもこの大風、読みようによっては「たいふう」と読める。
もしかしたらこの大風が台風のことではなかろうか。

  明日あたり台風圏か夜の静か  英世

 | BLOG TOP |  NEXT»»