舞鶴公園吟行

今回の百年句会吟行は舞鶴公園で、目的はお堀の蓮の花を詠むことであった。
この日は福岡県に大災害をもたらした梅雨も明けたかと思わせる猛烈な夏日で、熱中症にならぬよう用心しながらの吟行であった。
いつものように大手門に集合し、まずお堀の睡蓮を鑑賞した。睡蓮は息の長い花で咲き始めてからもう三ヶ月も立つと言うのに、今もってきれいな姿を見せてくれた。
睡蓮のあとはいよいよ蓮の花である。
福岡城お堀の蓮の花は毎年綺麗に咲いてくれていたが、一時期から理由もわからず減り始め全滅寸前までなっていた。
その後、市や関係者の努力で全盛期寸前まで持ち直しつつある。
蓮の花を見るとなぜか浄土の父母を思い出すのは私だけではないであろう。
蓮の花のあとは久しぶりに大濠公園を吟行した。公園は三連休の中日と言うこともあって、暑さにも負けず子供たちが大人を引っ張りまわしてはしゃいでいた。
例によってそのような中で詠んだ今日の一句をご紹介しよう。

  花蓮や水の底より南無阿弥陀  英世

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私の好きな一句

瀧の上に水現れて落ちにけり  夜半

後藤夜半は虚子を師とするホトトギス同人で、昭和初期を代表する俳人である。
さてこの句だが、瀧の夜半と言われるほど有名な句で、俳人ならずとも一度は耳にし、口にしたことのある一句ではなかろうか。
瀧と言えば誰もが瀧の全体像を思い浮かべるが、夜半は瀧の生まれる前から瀧が落ちて消滅してしまうまでのストーリーを詠んでいる。
「瀧の上に水現れて」とスローモーションの映像のように瀧となる始まりを確認し、あとは一気に「落ちにけり」と続いて終っている。瀧が生れてから落ちるまでの状態の一切がここに見事に写生された名句であると思う。

昨日の朝は今年初めてクマゼミの声を聞いた。この蝉の声を聞くとじとうっと汗がにじみ出してくる思いがする。
さて、夏帽子と一緒に出された兼題が虹であった。
虹は一年中出るが、夕立の多いこの時期が一番鮮やかで大きいので夏の季題となったものである。
雨上りの後に七色の弧を描く現象は、昔の人々にはその理屈が解らなかっただろう。龍か蛇のような不可解な動物が天空に棲んでいると思い、その龍が吐く息が虹だと思ったのも無理ないことである。
俳句結社に円虹があるが、たまに高山で見ることができる円い虹や、御来迎のことを円虹と呼ぶこともあるのでそのことから名づけられたのかもしれない。
また、散水で霧状の水を噴けば小さな虹ができるので、孫たちにそれを作って見せて驚かせたとともに虹の原理を教えたことがある。
その虹を詠んだ今日の一句をご紹介しよう。

  水撒いて庭に虹の子育てけり  英世


夏帽子

今回の鴻臚の兼題は「夏帽子」と「虹」であった。
まず夏帽子だが、言わずと知れた夏の帽子そのものであるが、その種類たるや数えきれないほど種類が多い。
子どものまんまるの可愛い麦わら帽子から、ご婦人方のファッションを兼ねた帽子、農業や工事現場などで欠かせぬ作業帽などそれぞれである。
昔は紳士用のパナマ帽や麦藁のカンカン帽が流行ったが、今でははやらなくなり何時しか見なくなってしまった。都心では高層ビルなどの日影や冷房の普及で、夏帽子がいらなくなった影響かもしれない。
私の印象に残っている帽子は何と言っても父の農作業用の帽子で、父が死んだ後も長く実家の倉庫に掛けてあったが、今でも掛かっているだろうか。
そんな夏帽子を詠んだ今日の一句をご紹介しよう。

  農協と銘ある考の夏帽子  英世


唐人町界隈吟行

今朝は曇り空の中一週間ぶりに庭の草を取った。梅雨の大雨のなかでも草ははたくましく伸びるものである。また、長雨で木苺もくすんだ暗い色をしていたが味は美味しかった。
さて、今回のたんたん句会の吟行は唐人町であった。
句会場のふくふくプラザが唐人町の近くにあることからこの界隈はよく吟行するが、いつも言っているように、季節によってまたコースによって新しい発見があることから吟行は楽しくて止められない。
この日は前にもお話しした馬頭観音から唐人町の寺町を巡るコースで、最後に訪れた正光寺ではいま盛りの白蓮(白い蓮の花)が私たちをやさしく迎えてくれた。
この日は大雨を覚悟していたが、案に反して朝から曇り空で、降っても小雨程度の涼しい吟行日和であった。
昼食は幹事の計らいで和風割烹「光安」での美味しい夏料理で、もちろんビール付きでことのほか美味しかったことも嬉しい。
ただ、心の内では豪雨被害を受けた人もいると言うのに、のほほんと吟行などしていて良いのだろうかと言う後ろめたさもあった。
そんな中で詠んだ今日の一句をご紹介しよう。

  出水禍を心の隅に吟行す  英世

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