久しぶりの脊振山Ⅲ

つつじのトンネルをただ黙々と歩いた。黙々と歩くと言うのはいつものように単独行なので話し相手がいないからである。
だがこの日は違った。三つ葉つつじを始め竜胆やムラサキケマン、たんぽぽなど春の名残の花々に励まされながら、新緑を揺らす風に吹かれての尾根歩きは最高であった。
山奥まで帰って来た老鶯(夏鶯)が「ホーホケキョ」ときれいな声で何度も鳴いてくれて、私は思わず「おお、きれいな声をありがとう」と返事をした。
シジュウガラには「餌は見つかったかい」、飛んできた蜂には「そんなに怒るなよ」、私の足下に這い寄って来た蟻には「踏まれるなよ」、岩の上に翅を拡げている蝶には「日向ぼっこかい」、葉緑素を持たぬ銀竜草には「色白美人だね」等と声を掛けながら楽しく歩いた。
そんな中で哀しい出来事があった。三つ葉つつじの群落の樹下に50㎝ほどの穴がところどころ開いている。三つ葉つつじの盗掘の跡であることは間違いない。
私でさえこの美しい三つ葉つつじを持って帰って庭に植えたいと思うので、気持ちは分かるが盗掘はいけない。
山の植物は平地に移植しても育たないという。盗掘された三つ葉つつじが無事咲いてくれているといいのだが。
「やはり野に置け蓮華草」ならぬ三つ葉つつじである。

   盗掘の三つ葉つつじの行く末や  英世

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久しぶりの脊振山Ⅱ

しばらく歩いていると素晴らしい三つ葉つつじのトンネルが私を迎えてくれた。
常日頃は修飾語の多い文章は嫌いだと言っておきながら、この日の山道はそのことを遠く忘れさせるほどの絶景で、あえて修飾語べたべたの文章でご紹介しよう。
ピンク色で身を飾った三つ葉つつじは、きらきらと零れる木洩れ日にその美しい若葉とピンクの花を揺らしながら、私の心と体を同色のピンク色に深く染めていった。
目を足下に移せば、これまたピンク色に敷き詰めた絨毯に、柘植の木の小さい黄色の花びらを鏤め、踏むのを躊躇わせるほどの美しさと豪華さである。
また、時折谷から吹き上げる風は汗ばんだ私の頬から首筋をやさしくなでて、次に踏み出す一歩を手助けしてくれる。
1時間ほど歩いて唐人舞と言う大きな岩の鼻に着いた。
唐人舞の名の謂れは、その昔渡来人の女性がここから祖国を偲んで舞を舞ったことから名づけられたとされている。その祖国を思う乙女心に打たれながら、遠く玄界灘から朝鮮半島を望む(見えたつもり)眺めは絶景であった。
途中の少し開けたがれ場が私の何時もの食事場所で、この日もおにぎり弁当とデザートの破れ饅頭、それに山の水がことのほか美味しかった。

  谿風やどこへ行ったの夏帽子  英世

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久しぶりの脊振山Ⅰ

昨日は朝からすっきりしない気分だったので、気晴らしに山に登ることにした。登る山は先日迂闊にも登り損ねた脊振山(標高1055m)である。
この日は私の気分とは打って変わって素晴らしい青空であった。
麓から喘ぎながら頂上を目指すのが登山の醍醐味かもしれないが、尾根伝いに風に吹かれて歩くのも登山である。何時もは麓から椎原峠を目指すのだが、この日は少し疲れ気味だったので山頂下に車を停め、そこからいったん山頂に登りそれから椎原峠までを往復することにした。
脊振山頂から博多方面を見下ろす景色は素晴らしく、いつも散歩がてらに登っている油山や荒平山が足元に小さな丘のように見えるはずだったが、この日はそうはいかなかった。
天気予報とは裏腹に山頂は濃い霧に包まれ、しかも南東からの強風が吹いている。下界どころかすぐ目の先も見えず、気温も10℃と肌寒かった。
山頂をいったん下って尾根歩きをするかどうか迷ったが、天気予報を信じて一路椎原峠を目指した。とはいえ脊振の尾根道は結構アップダウンがありなかなか厳しい道のりである。
しばらくすると私の願いが神に通じたのか見る見るうちに霧が風に流され、眺望を取り戻すことができた。
椎原峠の標高は765mで標高差約300mをいったん下ってまた登り返すことになる。しかも歩行時間往復4時間と長距離である。
どうにかその長丁場を無事歩き終え、帰ってからのお風呂といつもの全身マッサージは最高に気持ちよかった。

親からの脚が頼りの登山かな  英世

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久しぶりの油山

一昨日、久しぶりに油山に登った。
いつもそうだが、朝目覚めるとカーテンを開けてその日の天気を確認することにしている。
春時雨も上がったこの日は素晴らしい晴天に恵まれ、「そうだ、油山に名残の桜を見に行こう」と即座に決めた。
何時もの様に近くのコンビニでおにぎりとわずかの惣菜を買い、デジカメを片手に山へ向かった。
油山は知る人ぞ知る桜の名所で、このブログでも数年前に紹介したことがある。
標高600メートルの山の中腹には、期待にたがわず見事な桜が残っていた。また、頭上の桜の更にその上では鶯がきれいな声で鳴交わし、いやが上でも春爛漫の雰囲気を作り出してくれた。
これが今年の最後の花見になるだろうと思いつつ、花見弁当をいただいた。もちろん山で御昼を食べるときはビール抜きである。
帰りはいつもの温泉に浸かり、整骨院で全身マッサージを受けて、疲れを取り英気を養った。

  遠目にも桜の山でありにけり  英世

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久しぶりの山歩き

一昨日、あまりの暖かさに誘われて裏山の鴻巣山を散策した。四月からの本格的な山登りに備えてのトレーニングも兼ねてである。
やはり山は良い。山頂から福岡市内を眺めていると、ちっぽけなことは何もかも忘れてしまう壮観さがある。
それにしても天気が良かった。マテバシイの樹林を抜けて日当たりのいい場所に出ると、そこにはもう蓮華草、蒲公英、菜の花などの春の花が咲き誇り、私の目を楽しませてくれた。
途中のお地蔵さんにもご挨拶して、上り下りの山道を歩くこと約2時間、微かに汗をかきながら全身に心地よい疲労が残った。
と言うことで、帰りに行きつけの精骨院で全身マッサージをしてもらった。これがまた本当に気持ちよかった。
来月は四月。いよいよ私の山が始まる。

  急登にがくがくの膝山笑ふ   英世

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