女流書家「金澤翔子」

昨日のお昼ごろ何げなくテレビをつけると、大河ドラマ「平清盛」の題字を書いたという女流書家金澤翔子(小蘭)が母親と共に出演していた。
画面に登場した二人を見た私は一瞬息を飲んだ。母親の傍に立っている若い女性がダウン症であることは明らかだったからである。
金澤翔子という書家を全く知らなかった私は、母親の方が書家で手が外せない我が娘を連れて来たのではと思ったほどである。
番組ではダウン症というハンディーを背負いながら、歴史に残る(多分そうなるであろう)女流書家として大成した苦労話、中でもいわれなき差別を受けた学校時代に思わずじんと来て涙が毀れてしまった。
スタジオでは明るく振る舞っていた母娘であるが、何とか娘が一人立ちできるようにと闘ってきたそれまでの道のりは想像を絶するものであったろう。
それだけに、私には天分という軽い言葉で彼女を称賛する気にはならなかった。
彼女はスタジオで実際に「夢」という大書を書いてくれた。人を力づけるようなその書の勢いと、そのときの神がかり的な雰囲気にまたまた涙がこぼれ、この夢に向かって力強く生きて欲しいと祈らずにはいられなかった。
これから見る「平清盛」にまた別の感慨があるような気がする。

 青き踏む夢といふ字に想ひ馳せ  英世

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