七月が終わる

とんでもない七月が今日で終ろうとしている。
まだ梅雨も明けないうちに大病を患い、灼熱の夏まで2週間も入院してしまった。
今ではすっかりよくなったが、病気の怖さは身に沁みており、食事を始め何かと気を使うことが多くなった。
自分では若いと思っていても、他人から見ればすっかり老人なのかもしれない。
例年であればこの暑さにも負けず、句会や吟行に参加するのだが、今年はやむを得ず欠席や不在投句することにした。
先日も話したように入院中は気力も萎えがちだが、自分に俳句のあることでどれだけ助けられたか計り知れない。
虚子は俳句は生活の記録だと言ったが、我が句もまさに闘病の記録であり生活の記録であった。
明日からは八月、気を取り直して元気を出さねばなるまい。

 緑陰に老病二人慰めぬ  英世

025_20130731064127e13.jpg 026.jpg
027.jpg 033.jpg


スポンサーサイト

一句の風景

緑陰や主の影なき車椅子

太宰府の観世音寺の西隣に鑑真和上開基の戒壇院がある。
この戒壇院は日本三大戒壇院の一つで、西戒壇院や筑紫戒壇院とも呼ばれた。
その戒壇院で地元の愛好家によるリコーダーのコンサートがあった。
悠久の寺院でのコンサートで、心が洗われるような気持ちになったものだが、ふと見ると庭の隅に誰も乗っていない車椅子があった。
福祉ボランティアの方が、障害者の方を案内されてきたのである。
その優しさに惹かれて賜った句である。
2010年(平成22年)7月「季題:緑陰(夏)」

018_20130730065643.jpg 019_20130730065649.jpg
028.jpg 029.jpg


石菖

またまた変った兼題が出された。石菖(せきしょう)である。
入院前にこの兼題が出された時、句友、特に女性からは「何これ、どんな石」ととんでもない質問を受けてしまった。
石菖はれっきとしたサトイモ科の植物で、流れの淵などに群生する。
写真を見て貰うとよく分かるが、水仙のような細長い葉の中から茎が伸びて、青緑の長い穂(実際は花)をつける珍しい植物である。
実はこの花私にはなじみ深い植物で、藁ぶき屋根だった昔の実家の裏庭にこの石菖が植えられていたのである。そう言った意味では懐かしい植物である。
なお、庭や公園の芝生などに咲く薄紫または白色の庭石菖とは全く別のものである。
例によって不在投句したこの日の入選句をご紹介しよう。

 石菖や田畑潤す水の音  英世

sekisy2.jpg

焼酎

昨日は長男の引っ越しで手伝いに行った。もう力仕事はできないので孫二人の子守であったがこれが結構疲れる。
今日も頼まれているが、夕方から仕事なので午前中だけまた面倒見る予定である。
さて、禁酒中の身であるが、本来大好きな焼酎が今回の兼題でこれも不在投句した。
最近は酒と言えばこの焼酎が主役であるが、実はこの焼酎はれっきとした夏の季題で、新日本大歳時記によれば、昔は暑気払いの酒として飲まれていたという。
日本古来の蒸留酒の一種で、各地で独特の焼酎が作られる。
中でも薩摩の芋焼酎、熊本の球磨焼酎、そして沖縄の泡盛などが有名で、最近は「黒○○」といった銘柄で呼ばれることが多くなった。
かつて毛嫌いされたホテルや料亭、スナックでも、今は焼酎を置いていない店はないのではなかろうか。
飲兵衛だからと言っていい句が詠める訳ではないが、この日の入選句をご紹介しよう。

 泡盛や島に足止めされし旅  英世

020_20130728063459.jpg 021_20130728063504.jpg
022_20130728063510.jpg 023_20130728063516.jpg
植物園の瓢箪

夏の山

同じく兼題の夏の山を不在投句した。
私は若いころから7,8月の夏の山は登らないことにしている。消耗が激しく危険を感じるからである。
と言うことでこの夏の山の兼題、思い悩んだあげく5,6月に登った山の思い出を句にすることにした。
その夏の山には様々な思い出がある。
中でも東京にいた頃に、友人と3人で散策した尾瀬ケ原の壮大さと大自然の驚異は忘れられない思い出である。
尾瀬は広大な湿原で、冬の積雪時を除けば春夏秋と様々な花が咲き乱れる。
ただ、一つ一つの花が珍しく美しいと言うよりも、この尾瀬にはこんなにもたくさんの種類の花が咲いているのかと言うのに驚かされた。
原則日帰りの私だが、さすがに尾瀬は日帰りと言う訳にはいかず、この日は湿原の一番奥の第二長蔵小屋に宿をとり、3人で雑魚寝をした。
明日の歩きへの期待と慣れない雑魚寝に、眠りは浅く朝早く目を覚ましたことを覚えている。
思い出の夏の山を句にしたこの日の特選句をご紹介しよう。

 噴煙を上げて夏山らしくなる  英世

尾瀬3 尾瀬2
尾瀬 第二長蔵小屋
尾瀬ヶ原            第二長蔵小屋

月見草

長いこと休んでいたが、昨日より仕事を再開し、健康の有り難さを再認識した。
さて、先日の句会は太宰治の「富士には月見草がよく似合う」で有名な月見草が兼題であったが、入院中のこととて句会への参加は叶わず、句友に頼んで不在投句して貰った。
現役時代の野村監督が、「王、長嶋が太陽の下に咲くひまわりなら、俺はひっそりと日本海に咲く月見草」と言ったことで有名なあの月見草である。
しかし、本来の月見草は現在ほとんど見られなくなり、日頃私たちが月見草と呼んでいるのは大待宵草のことである。
本来の月見草のように夕方から咲き始めるが、こちらの方は白ではなくやや大きめの黄色い花を咲かせるのが特徴である。
現在俳句で詠まれる月見草は、殆んどこの大待宵草のことであると考えられている。
闘病中にこの大待宵草を詠んだこの日の入選句をご紹介しよう。

 元寇の波穏やかに月見草  英世

月見草 大松宵草
月見草              大待宵草

病中吟

長いこと休んでいたのに、昨日はたくさんの方にアクセスいただき感謝いたします。
さて、今回の入院でも俳句にずいぶん救われた。闘病の傍ら詠んだ句の内のいくつかをご紹介しよう。
当然のことだが、病状の回復と共に句にも明るさが増してきたような気がする。
 古希の身の弱気誘ふ暑さかな
 終日我が腹中の梅雨の雷
 甚平に似たる病衣の涼しかり
 梅雨の夜や固きベッドと貸パジャマ
 炎天の妻の労苦を偲びけり
 看護師の詰め所煌々夏灯
 冷房に布団まさぐる夜明かな
 もやもやを吹き消す如く髪洗ふ
 山笠の賑ふ街に思ひ馳せ
 見舞ひ来し男の汗を許しけり
 鳴き増ゆる蝉の朝となりにけり
 病食と俳句の暮し土用入
 新聞の猛暑の記事も蚊帳の外
 病食の西瓜の種も愛しかり
 避暑にあらず病躯の我の臥し所
 病床の窓に夏蝶来る日課
 退院の許しにごしと髪洗ふ
 癒えし身にナースの声の涼しかり
 白シャツに着替えて妻と退院す
 退院や炎暑のことも気にならず

017_20130725070156.jpg 013.jpg
015_20130725070152.jpg 014_20130725070148.jpg

闘病記

今回の病名も憩室炎と言うことであったが、検査の結果では大腸と小腸の繋ぎ目の小腸部分に炎症を起こし、化膿しているとのことであった。
原因は暴飲暴食と運動不足が一番やり玉に挙げられる。
2月の発症以来ずいぶん気を付けていたのだが、どうも発症の前日の午後10時半過ぎから、お寿司をたらふく食べ焼酎をがぶ飲みしたのが原因かもしれない。
家内からは夜遅くの飲食はきつく止められていたのに、魔が差したとしか言いようがない。
それでもこう度々同じ病気に悩まされるのは何か大きな原因があるかもしれないので、8月になったら大腸カメラで徹底的に調べて貰い、場合によっては手術する等、必要な処置を取って貰うことにしている。
入院中は6日間の絶食に耐えながら、細々と闘病記をしたためた。
今回も日記の合間に拙い俳句を詠んだが、この時ほど自分に俳句があることを有り難いと思ったことはなかった。

 終日我が腹中の梅雨の雷  英世

040.jpg 041.jpg
042.jpg 043.jpg
福岡市植物園のアサギマダラ

ご心配お掛けしました

長い間ご無沙汰しどうしたのだろうかとご心配して頂いた方も多いと存じます。
実は母校の甲子園行きの応援メッセージを書いたとたんに、前夜からの腹痛が堪えられないほどにひどくなり、予想通り入院となってしまいました。
2月に発症した病気の再発でしたが、このように頻繁に発症するようであれば、何か根本的に処置しないといけないかもしれません。
詳しいことは明日お話ししますが、そう言うことでしばらくブログをお休みさせて頂いた次第です。
もうすっかり良くなりましたので、明日からはまた張りきって色々お話ししたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。
そうそう母校の野球部は健闘むなしく負けてしまい、甲子園行きは夢と消えました。

 鳴きしきる蝉に急かされ退院す  英世

甲子園への道

野球好きの私は今でも母校野球部の活躍に胸躍らせている。
その母校がいよいよ甲子園大会予選を迎える。
特に今年の母校は春の九州大会優勝、福岡県NHK旗優勝と、この夏本命の強さとの前評判である。
今年のチームには傑出した選手はいないが、全員野球で投手を中心に守り抜く高校野球らしい良いチームだと聞いている。
例年都合がつけば応援に行くのだが、行けば必ずといってよいほど同級生に会う。
別に前もってしめし合わせて応援に行くわけではないが、やはり好きなものは好きなんだろう。
今年もまた彼らと手に汗を握り応援し、その後は何時もの黒田天狗ということになるのだろうか。
出来れば甲子園にも応援に行きたいものだが。

 女子マネは男勝りや雲の峰  英世

012_20130707070700.jpg 011_20130707070655.jpg
010_20130707070650.jpg 009.jpg

電子辞書で名作を探す

今日もまたものすごい雨が降っている。被害が出ないといいのだが。
さて、私の電子辞書には日本文学と世界文学の名作がそれぞれ1000作品収納されている。
もちろんそのまま紐解けば読める訳だが、どうも電子機器をめくりながらの読書は性に合わない。
分厚い本のあの手に伝わってくる紙の感触、一頁毎めくるその先への期待は、コンベアのように流れ出て来る機器の本からは到底得られない感触である。
しかも単三2個の寿命はたかが知れている。読んでいるうちに電池が切れてしまうと言うことも考えられる。電池を入れれば済むことだが、何か思考が中断されそうな気がしてならない。
ここは電子辞書で名作を探し、手持ちの本がなければ図書館で借りてじっくり読むとしよう。

 布衣の身の緑陰によむ俳話かな  英世

008_20130706074236.jpg 007_20130706074231.jpg
006_20130706074226.jpg 005_20130706074220.jpg


電子辞書は百科事典

一昨日から時折激しい雨が降っている。梅雨もそろそろ終わりであろうか。
さて、ずいぶん前に電子辞書を買い直した話をしたが、この新しい機能に驚いている。
電子辞書はまるで百科事典である。
もともと俳句をするために買った辞書だが、慣れて余裕が出て来たころから歳時記と国語辞典以外の機能が気になっていた。
調べて見ると英語辞典はもとより、歴史、医療、文学、人物、旅行などとありとあらゆる分野が網羅されている。中には古今の文学の名作も搭載されている。
歴史好きの私はさっそく日本歴史大辞典で、過去の出来事や人物を調べて見た。使ってみると手持ちの「日本の歴史」となんら変わらない。
単三乾電池2本でこれだけの情報が得られるとは、何かものすごく得したような気分である。
今までは殆んど俳句にしか使っていなかったがこれからは大いに活用するとしよう。

 夏の花探せば響く電子音  英世

001_20130705063712.jpg 002_20130705063719.jpg
003_20130705063724.jpg 004_20130705063731.jpg


冬野7月号

冬野7月号が届いたので、他の句会の入選句と併せてご紹介しよう。
今回は久し振りにNHK俳句の佳作に入選した。
しかし、いつもいいことばかりは続かないもので、今月の愚陀佛庵インターネット句会には残念ながら入選句はなかった。
冬野7月号
 長閑さや影ゆらゆらと眼鏡橋
 水玉の光り零るる馬酔木かな
 散り様に間といふものも花吹雪
 のどけしやひらがなだけの子の俳句
 蜂といふだけで老女に踏まれけり
 遠足の点呼またもややり直し
 パンジーを植えて学級日誌書く
 椿寿忌やまだ手擦れなき虚子俳話
 配流地の雨に明るき都草
 薫風や少年一人ボール蹴る
 もののふの御魂鎮めて余花の宮
冬野インターネット句会
 古城址の風の通ひ路花菖蒲
 相寄りてやがて燃え尽く蛍かな
俳句ステーション
 崩れつつ大見得切りし牡丹かな
 新緑の総本山に代参す
 麦飯や父の貧しさ子は知らず
現代俳句インターネット句会
 鈴振るが如く抓みしさくらんぼ
 我が庭の過ぎたるものに妻と薔薇
NHK俳句
 香り聞きああ蚕豆と言う子かな(佳作入選)

006_20130704070026.jpg 007_20130704070032.jpg
016_20130704070016.jpg 005_20130704070020.jpg
鷺・鴨・ムクドリ・鯉

七月の花ごよみ「ひまわり」

七月と言えば向日葵と書くように太陽の花「ひまわり」の季節である。
先月、新聞で大濠公園に子供たちがひまわりの苗を植えたという記事が載っていた。句友の老婦人も、大濠公園のそのひまわりにボランティアで毎日水をやっていると言う話しである。
また、先日行った愛莉の授業参観の時にも校庭のひまわりの苗がだいぶ伸びていたし、昨日行った植物園では今にも花が咲きそうな勢いであった。
資料によれば、ひまわりはアメリカ中西部のキク科の花で、夏の強い日差しによく似合う大きな花である。
丈夫な植物で、日当りがよく水はけの良いところであればどこにでも育ち、病害虫にも強いまさに太陽の花である。
ひまわりには種子油用と観賞用との2種類があり、子供の頃種をフライパンで炒って食べたこともある。
そのひまわりとは直接関係ないが、今日からは近所や植物園で写真に納めた、癒しの動物や植物をご紹介しよう。

 向日葵のその色にある希望かな  英世

himawa9.jpg 002_20130703063725.jpg
003_20130703063730.jpg 004_20130703063735.jpg
ほまわりと近くの平尾大池公園


油山

001_20130702061712.jpg 002_20130702061717.jpg

先月29日の土曜日に、6月も終わりということでまたまた油山に登った。少し長くなるがそのお話しをしよう。
今回は山頂には登らず、油山市民の森から、山笠の滝、水の森を散策する約2.5時間のコースであった。
市民の森では楊梅(やまもも)が今を盛りと熟していたし、梅の実も黄色く色づいていた。私は欲望に耐えきれず、その楊梅を50粒ほどと梅を3個美味しく頂いた。
「梅を食べるとは」と思われるかもしれないが、黄色く熟した梅は甘酸っぱくて美味しく、子供の頃の味そのままであった。
ふと、ホトトギスの特徴のある鳴き声が聞こえて来た。油山にはまだホトトギスがいるのかと一種安堵めいた気持がした。
他にも鶯や四十雀等たくさんの鳥の鳴き声を楽しむことが出来たし、せせらぎでは珍しいキセキレイを見ることもできた。
山笠の滝や水の森のせせらぎはいつもは水量が少ないのだが、この日は先の雨の影響かごうごうと音を立てて流れており、水辺では沢蟹にも出会った。
ただ、森や滝の散策だからとタカをくくってスニーカーで出かけたのが失敗であった。
山笠の滝は殆んど岩の上を歩くコースで、歩くたびに足の裏に衝撃があり、湿って滑りやすくなっていたのである。
やはり山を侮らずしっかりとした登山靴で行くべきだったと反省している。

 せせらぎの音の間に間に時鳥  英世

004_20130702061830.jpg 005_20130702061835.jpg

006_20130702061840.jpg 003_20130702061822.jpg

七月に入る

今日から七月である。真夏の暑さをしのぎ健康に過ごすことを考えねばなるまい。
先日健康診断の話をしたが、その話をした途端に安心したのか、このところ外でお酒を飲む量が増えて来たような気がする。
確かにビールが美味しい7月ではあるが、ここは辛抱して再度節酒に努めることにしよう。
また、この7月は気候の変化が激しい月である。
例年前半は梅雨の真最中であり、中旬から下旬にかけて梅雨が上がり猛烈な暑さがやってくる。
それと同時に寝苦しくなるし、食欲も落ちて来る。
睡眠不足になると何かと気持ちが苛立ち、肝心の俳句も無造作になってしまうことがあるので要注意である。
ここは何とか工夫してよく眠り、よく遊び、よい俳句を詠むことに心がけねばなるまい。

 七月を乗り切る体力作りかな  英世

019.jpg 022.jpg
癒しのモニュメント

 | BLOG TOP |