季題の梅と桜

間もなく桜の季節を迎えるが、先日ある歳時記のあとがきを読んでいて、おもしろいことに気が付いた。
数ある花樹の季題の中でも桜と梅は実ではなくそれだけで花を表す季題だということであった。なんとなくそのように使ってきたが、言われてみればその通りである。
確かに桜と言えば桜の花であり、梅と言えば梅の花である。その実を言う場合は桜の実かサクランボそして梅の実または実梅と言わなければならない。
逆に桃と言えば桃の実、柿と言えば柿の実のことであり、花を言う場合はそれぞれ桃の花、柿の花と言わなければならない。
一般の人は不思議に思うだろうが、これは季題の約束事であり守らなければならない。
その約束事も単に便宜的に決められたのではなく、四季の運行に係りそれを評価してきた人間の生活であり歴史であるとあとがきでは述べていた。

  初花と詠みしは昨日までのこと  英世

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