子規の絶筆

子規の随筆集を読んだ話をしたが、その中の最後の随筆「病牀六尺」では子規の壮絶なまでの闘病生活とあくなき執念を感じた。
なにが執念かと言うと、それは子規が死の直前まで筆を握りしめていたと言うことである。
病状六尺は明治35年9月17日のエッセイが最後である。
病状六尺は1項から始まり127項で終わっている。
私が読んだ文庫本では、書き出しが153ぺーで最後は312ページなので、中間であれば233ページは64項でなければならないのに実際は57項となっている。
それだけ最初の方はページ数の割には文字数が多く、後半に行くに従って文字数が少なくなっていることがわかる。
つまり、元気なうちは長文を書き、死の直前は短い文しか書けなかった証拠である。
子規が没したのはその年の9月19日の午前1時頃で、理論的には絶筆の17日は死の二日前と言うことになるが、19日はわずか1時間しか生きていなかったのだから、感覚的には一日前まで書き続けていたと言うことになる。
死の直前まで筆を折ろうとしなかった子規の凄まじい執念に驚かされ、改めてその偉大さに敬意を表したい。

  時鳥喉掻き切って鳴くがよい  英世

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