獅子文六「悦ちゃん」

ずいぶん前の朝日新聞の文化・文芸欄で獅子文六を特集していた。その特集を読んで私は60年前の中学時代を思い出した。
私の中学時代は家が貧乏で本など買えるはずもなく、近くの公民館からこれという本を借りて読むのが唯一の楽しみであった。
そのことは「本好きだった少年」と言うタイトルでエッセイを書き、福岡市民文芸に入選してこのブログで紹介したこともある。
本題に戻るが、その時読んだ本の中に獅子文六の「悦ちゃん」があったことを懐かしく思い出した。
主人公の悦ちゃんは父の再婚を巡って大人顔負けの活躍をするわけだが、その結果、新しい母親を遊び仲間から「ママハハ」と言われ、「馬鹿だね、ママとハハが一緒になったンだから、最高のお母さんだよ」と言ったくだりは今でも忘れない。
獅子文六がペンネームに「最強の獅子、そして四四、十六だから獅子文六」にしたと言うユーモアのセンスにもつながっている。
ちなみにこの悦ちゃんは小説の中で福岡に住んだことがあり、悦ちゃんのことを近所のみんなが「悦っつぁん」と呼ぶと不思議がったことも、私たちの国訛りをよくとらえていて面白く感動した。
獅子文六の「悦ちゃん」いや「悦っつぁん」、もう一度手にしたい本である。

 早春や悦っつぁんと言ふ国訛り  英世

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コメント

Re: 獅子文六、懐かしいです。

子供の頃に読んだ本と言うのはなかなか忘れませんね。
近所の悪ガキどもと草野球ばかりやっていたような気がしますが、どうして本を読む時間を作っていたのか思い出せません。
その後給料をもらうようになって中央公論社の「日本の文学」を全巻買いそろえ、今でも私の書架の肥やしにしています。
当時短編小説も書いていたのですが、残念ながらそのノートはなくしてしまいました。
ストーリーも忘れてしまいましたが、当時から今と同じように文字に親しむことが好きだったようです。

獅子文六、懐かしいです。

大津様、なんという懐かしい作家の名前!私も翔・中学時代は近くの小さな貸本屋さんの常連でした。獅子文六『悦ちゃん』や『娘と私?』(TV朝ドラになった?)とか自由学校とか。後にこの作家が岩田豊雄という新劇の脚本とか書いていた人と知りました。確か【文学座】という名前も付けたと思っていますが。おじいさんか何か大分中津の方だったとか・・・今はもうウロ覚えですが、高校の頃演劇大好きだったので。懐かしい作家の話有難うございました。

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