消えゆく季題「鹿火屋」

今月の消えゆく季題は「鹿火屋」である。
原石鼎の有名な句に「淋しさに又銅鑼うつや鹿火屋守」という句がある。その鹿火屋のことである。
歳時記によると、「鹿火屋とは猪や鹿などが秋になって田んぼを荒らすのを防ぐために火を焚く仮小屋のことで、臭い匂いのするものをくすべて焼いて追い払う」とある。その火の番をする人が鹿火屋守である。
今でもその鹿火屋はあるのだろうか。そして今も鹿火屋守はいるのだろうか。
私の知っている限りでは、現在は猪や鹿の害を防ぐ役目は柵、しかも電気柵にとって変わられ、福岡市でも少し郊外に行くと田圃の周りにぐるりと柵がめぐらされている。
また、雀などを追っ払うのに大きな音を立てる威銃や添水もあるが、これは鹿や猪には効き目がありそうもなく全く別の季題である。
かくして、この鹿火屋もいずれ消えて行く季題ではなかろうか。

  当節は電気柵なる鹿火屋かな

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コメント

Re: 消えゆく言葉

おはようございます。
日本の古い言葉や名前が少しずつ減り、横文字ばかりが氾濫しています。
せめて俳句や小説の中にだけでも残したいものです。
この失われゆく季題については、定期的に発表してゆく予定です。

消えゆく言葉

大津様 鹿火屋 という言葉知りませんでした。
世情が変わり、日本語も日本の風物も無くなっていくものが
ありますね。日本古来の四季折々の行事や季節感ある言葉は、
残って欲しいものです。友人も家庭菜園に猪が出るので、電気柵にした
そうです。

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