私の本棚「九十歳。何がめでたい」

佐藤愛子のパンチの効いたエッセイ「九十歳。何がめでたい」を読んだ。
結論から言うと佐藤愛子の言うところの「ヤケクソが籠っている」言葉そのものであった。
彼女が九十歳を迎えた時に、人から「おめでとうございます」と祝福され、表面では有り難うございますと言いながら、心の中では「卒寿、何がめでてえ!」と開き直って、そのまま本のタイトルになっているところから始まっている。
新幹線がスピードアップして東京新大阪間が3分短くなったことに、「何がめでたい、なんでそう急ぐ」と辛口である。
また、最近の犬は吠えなくなった。主人を守るために吠える宿命にありながら、犬の声がうるさいのなんのと言われてだんだん犬の肩身が狭くなり、とうとう吠えなくなったといった具合である。
ただ世の中を表面的に茶化しているだけではなく、彼女は「長生きは本当にめでたいのだろうか?」と言いたいのであろう。
私たちの年代が思い悩む永遠のテーマを、彼女は投げかけているのである。

  百歳ははなたれ小僧春隣  英世

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