大恩人の死

昨日の朝、一通のファックスが届きその文面に驚いた。大恩ある会社の先輩の死である。
昭和35年の初夏、高校三年だった私は突然校長室に呼ばれた。そこには端正なスーツを着た一人の男性が待っていた。会社の採用担当者で即ち亡くなった彼である。
校長とその男性は静かに会社の概要を説明し、私に採用試験を受けないかと持ち掛けてきた。
三菱とは名のあるものの、私はその会社のことを全く知らなかったが、この人と校長の勧めであれば間違いなかろうと早々に決めてしまった。
翌年の入社後、彼は一転私たちの私設教育係になった。
口の利き方、酒の飲み方など遊びを中心に社会人の一歩から教えてくれたのも彼で、私と同世代の社員で彼のお世話にならなかったものは一人もいないと言ってもいいだろう。
奥様に先立たれ淋しい思いをしていた彼が奥様のもとへ旅立ってしまった。確か90歳だったと思うが、何か一つの時代が終わったような気がする。
昨日の葬儀には何が何でも駆けつけなければならないところであったが、仕事に行くために着替えている最中の連絡ではどうしようもならなかった。
それだけが心残りで、お詫びをしつつご冥福を祈りたい。

  梅が香を纏ひて妻の待つ天へ  英世

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