一句の風景

うららかや老々席を譲り合ひ

私はある句会に行く時に、いつも一人の老婦人と一緒にバスで行く。
その婦人は少々腰が悪く、歩くのが大の苦手でバスに乗って立っていることなど到底できない。
本人はタクシーを使いたがるが、私は彼女のためにと無理にバスで行くことをすすめている。
ある日バスに乗ったところ思った以上の混みようで、思わず私は「誰かこの人に席を譲ってください」と声を上げた。
若い連中がさも珍しそうにじろじろ見ている中で、初老の女性が席を立ってくれた。
私は若い人ではなく老婦人が席を譲ってくれたことに複雑な思いであった。
窓の外がうららかな春の日であっただけに。
2014年(平成26年)4月「季題:うららか(春)」

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