旧友と酌む

今まで私の高校同窓生は仲がいいと言うことを幾度もお話ししてきた。
その高校の同級生で今は千葉県に住む旧友が、姪御さんの慶事で福岡に来ると言うので、もう一人の同級生を誘って久し振りに黒田天狗で飲んだ。
航空会社に勤務していた彼はその関係で世界各国を歩き回ったと言う。中でも面白かった話はキリストの聖地スペインへの巡礼の道を、フランスからピレネー山脈を越えてその足で歩いたというすごい話であった。
何かと騒々しい世の中だが、旅の途中で会った様々な国の巡礼の人々は至ってみなやさしく、一人旅でも宿や食事に困ることはなかったと言う。それほど人々は親切だったと言うことである。
そのような彼のことだから定年退職後は悠々自適の生活を送っているものと信じていたのに、彼の口から出てきた言葉は意外なもので思わず私も絶句してしまった。
実は夫人を2年前に癌で亡くし、今は一人住まいだと言うのである。
一人住まいの虚しい生活ぶりを聞きながら、彼の言った言葉が今でも耳に残っている。
「どんなに喧嘩しようが、奥さんだけは大事にしろよ。一日でも先にお前が死ぬことだな。」

 旧友の涙話と秋の酒  英世

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