さようなら「黒田天狗」 Ⅱ

彼は高校卒業と同時に一流の食品会社に就職し、郊外レストランを任されたことから才能を発揮し、40歳を目前に独立して黒田天狗を起こしたのである。
卒業後しばらく彼との交流が途絶えていたが、30年ほど前に家内と偶然入った焼鳥屋に彼がいるのに驚き、事情を知りそれから行きつけとなった思い出の店である。
その後家族を始め会社の同僚、高校同窓生、俳句の友人などとたびたび訪れるようになり、わがままの言いたい放題であったが、それでも彼は何も言わずただ黙々と焼き鳥を焼き酒を出してくれた。
最後の日の23日に、彼と平均寿命の話になり「平均寿命まではぜひ生きたい。それまでの10年間はのんびりしたい」としみじみと言っていたが、働き詰めの人生だっただけに私もぜひそうあって欲しいと願っている。
このように親友と気楽に話せる店、安くてうまい酒が飲める店がなくなるのは残念なことではあるが、彼の人生のためにもその勇気ある決断を歓迎し、彼のこれからの幸せを祈り「黒田天狗よ、ありがとう」と言わせて頂こう。
黒田天狗には私の拙い俳句の短冊を飾って頂いていたが、閉店後は彼の自宅に飾ってくれると言う。有り難いことである。
今日はその短冊の句をご紹介しよう

 盆梅や筆の添へある奉加帳  英世

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