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地元の季題「湯治舟」

時々珍しい季題や消えて行く季題についてお話ししているが、これからは地元に密着したしかもユニークな季題についてもお話しよう。
まずは春の季題「湯治舟」である。
ホトトギス歳時記によると「別府温泉では一家族あるいは数家族が、湯治期間中の食料品や所帯道具などを積み込んだ自分の持舟を波止場に繋いで、宿に泊まらずその船から共同温泉に通う風習がある。その舟を湯治舟と言う。」と紹介されている。
一時は春の別府湾内に百隻もの湯治舟が浮かんでいたらしいが、私が大分に住んでいた昭和40年代には車の普及と経済的な余裕からかすっかりなくなっていた。
その湯治舟の浮かぶ光景を虚子は春の風物詩として季題としたのであろうが、今はこの季題で詠む人もなく事実上消えてしまった季題と言えよう。
でも、想像するに何とも風流な光景である。

 舟べりに手ぬぐい干して湯治舟  英世

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コメント

Re: 湯治舟、初めて知りました。

おはようございます。
まとめてお返事申し上げます。
文学としての俳句は古く、従って季題も時代とともに増えて参ります。
一方古くなった季題を抹消すればいいのでしょうが、誰も怖がって?挑戦しないようです。
ふとしたことで現代俳句もかじりましたが、やはり元の伝統俳句に戻ることにしました。流派はどうあれ自分の考え、自分の特性に従うのがいいと思います。
先日NHKで狂言を見ました。狂言は所作よりもその言葉が面白いと思いました。
狂言に出てくる古い言葉、言い回しが何か俳句の参考になるようで大いに興味を持ちました。
ゴールデンウィークも通常通りで、とくべて行く当てもありませんが、どんたくだけは見に行こうかと思っています。

湯治舟、初めて知りました。

大津様、
まあ、昔は別府湾でそんな光景を見ることが出来たんですね。
なんとまあ、風流な。
全く知りませんでした。湯治舟という言葉もそういうことが
行われていたことも。
 ブログ拝読していますと色々知らないことを
教えていただけるようで、有難いです。
 GWに入りますね。我が家は例年の如く、家でのんびり
過ごします。喧噪の観光地に行く勇気も、若い方達の折角の
連休を邪魔する気もないので。

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