一句の風景

夏草や吾と同じ名の遭難碑

東京での単身赴任中に山登りの楽しさを知った。
最初は高尾山や御嶽山などの奥多摩の低山を登っていたが、だんだん慣れて来て本格的な山に登りたくなった。そこで選んだのが谷川岳であった。
その山はまさに日本百名山の名にふさわしく、登る人の心をとらえて離さなかった。ところがその山は冬は雪、夏は霧と何かと登山者を悩ませる山でもある。事実下山時に一時道に迷ったこともあるほどである。
西黒尾根の岩場に苦労しながらどうにか麓に下山した時のことである。
夏草の中に大きな石の遭難碑が立っていた。何気なく遭難者の名を目で追っていたところある一点で目が止まってしまった。そこには何と私と同じ名字の遭難者の名が刻んであったのである。
2012年(平成24年)6月「季題:夏草(夏)」

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