初冬の花ごよみ「落葉」

東京に住んでいた頃、武蔵の面影を残す里山を散策したことがある。目的は秋の終りに丘陵に降る広葉樹の落葉を踏むことであった。
武蔵野と言ってもいま東京にその面影はなく、埼玉県の丘陵を歩いたが、そこには期待にたがわず大量の落葉が堆積しており、踏む度にサクサクと心地良い音を奏でてくれた。
時折吹く風にその落葉は舞い上げられからからと音を立てながら窪地へと流れていく。たぶん風の吹きだまりであろう。
期待していた人が現れた。落葉を集めて籠に詰め込んでいる人である。話を聴くと、その落葉を発酵させて堆肥を作るという、昔ながらの農作業であった。
落葉は言うまでもなく冬の季題である。
武蔵野の面影を詠むこともできないが、せめて風に舞う落葉ぐらいは詠みたいものである。

 落葉掃く尼僧に長き箒かな  英世

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